サステナビリティ

太陽フレアと地球環境の関係【宇宙×サステナビリティ】

太陽フレアと地球環境の関係

みなさんこんにちは。

つい最近、太陽フレアが起きましたね!

太陽フレアは、太陽表面で起こる巨大な爆発現象です。短時間で大量のエネルギーが放出され、地球にも影響を与えます。

国立天文台、観測衛星が撮影した「X5.8」はかなり大きかったですね。

今回は、そこで太陽フレアと地球環境の関係についてまとめていきたいと思います。

目次

太陽フレアとは:地球に何が届いているのか?

太陽フレアは、太陽表面で起こる巨大な爆発現象です。短時間で莫大なエネルギーが放出され、光、電磁波、荷電粒子などが宇宙空間に飛び散ります。地球から見ると、太陽の表面が明るく光り輝く様子を観察することができます。

太陽フレアのメカニズム

太陽フレアは、太陽の磁場活動と密接に関係しています。太陽表面には、磁場の強弱が異なる領域が多数存在します。これらの磁場線が複雑に絡み合い、不安定になると、突然断裂し、フレアが発生します。

フレアが発生すると、膨大なエネルギーが光、電磁波、荷電粒子として放出されます。光のエネルギーは可視光線だけでなく、X線や紫外線などの短波長の電磁波も含まれます。荷電粒子は、主に電子と陽子から構成されています。

太陽フレアから下流電子が地球に到達するメカニズムは、複雑な物理現象によって説明できます。下流電子は様々な影響を与えますが、その程度はフレアによって大きく異なるので、その点には留意しておきましょう。

下記は主に影響がありそうな点4つです。

電磁波 

太陽フレアは、太陽表面で起こる爆発的な現象で、大量の光、熱、電磁波を放出します。この電磁波は、地球の大気圏に到達し、様々な影響を及ぼします。

電磁波の種類と影響

太陽フレアから放出される電磁波は、主に以下の3種類に分類されます。

X線: エネルギーが最も高く、大気圏を透過し、地表に到達します。電力網や通信網に影響を与え、大規模な停電や通信障害を引き起こす可能性があります。

紫外線: X線よりもエネルギーが低く、大気圏の大部分で吸収されます。しかし、強い紫外線はオゾン層を破壊し、皮膚ガンのリスクを高める可能性があります。

高エネルギー粒子: 荷電した粒子が宇宙空間を高速で飛び交い、人工衛星に衝突すると、誤作動や機能停止を引き起こす可能性があります。

太陽フレアの影響は、フレアの規模や地球への到達位置によって異なります。一般的に、フレアの規模が大きいほど、そして地球への到達位置が極に近いほど、影響が大きくなります。

紫外線

太陽フレアは、太陽表面で起こる爆発的な現象で、短時間に大量のエネルギーが放出されます。このエネルギーは、熱、光、電磁波など様々な形に変換され、地球にも到達します。

紫外線も、太陽フレアによって放出される電磁波の一種です。太陽フレアが発生すると、 普段よりも短波長の紫外線(極端紫外線)が多く放出されます。

地球への影響

地球の大気は、大部分の紫外線を吸収し、地上に到達する紫外線の量を制限しています。しかし、極端紫外線 は、大気の上層にあるオゾン層によって吸収されやすいため、地上への影響は比較的少ないと考えられています。

しかし、 大規模な太陽フレア が発生した場合には、大量の極端紫外線が放出され、オゾン層が十分に吸収しきれない可能性があります。その結果、 地上到達紫外線量が増加

し、 日焼けや白内障などの健康被害 を引き起こす可能性も指摘されています。

ただし、 これらの影響は、 太陽フレアの種類や規模、オゾン層の状態 などによって左右されます。現在のところ、 太陽フレアが原因で深刻な健康被害が発生したという報告は確認されていません。

参考情報

https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/en

下流電子

太陽フレア発生時に、 コロナプラズマ(高温・高密度なプラズマ) から加速された 荷電粒子磁気圏 を通って地球に到達します。このうち、電荷が 負の電子下流電子 と呼ばれます。

具体的なメカニズムは以下の通りです。

  1. フレア加速 

フレアによって加熱されたコロナプラズマ内で、下流電子が 磁気再結合 などによって加速されます。

  1. コロナラージスケール構造形成: 

加速された下流電子は、コロナプラズマ内に コロナラージスケール構造と呼ばれる磁場構造を形成します。

  1. 磁場ライン接続:

 コロナラージスケール構造内の磁場ラインは地球の磁気圏と 接続 します。

  1. 下流電子の地球到達
  2.  コロナラージスケール構造に沿って加速された下流電子は、磁気圏を伝って地球に到達します。

地球への影響

地球に到達した下流電子は、 高高度の電離層 にエネルギーを放出し、 オーロラ などを引き起こします。また、人工衛星や航空機などに影響を与え、 電子機器の故障 を引き起こす可能性もあります。

ただし、 下流電子による影響は、 フレアの規模や発生場所 によって大きく異なります。全てのフレアが下流電子を放出するわけではなく、下流電子が地球に到達する量も様々です。

光自体は直接的な影響はほとんどありません。

太陽フレアは、主にX線や紫外線などの短波長の電磁波を放出します。これらの電磁波は、大気圏に吸収されるため、地上にはほとんど到達しません。一方、可視光と呼ばれる光は、波長が長いため、大気圏にほとんど吸収されずに地上に到達します。

しかし、可視光であっても、非常に強い光の場合は、網膜を損傷する可能性があります。これは、雪眼炎(せつがんえん, snow-blindness)と呼ばれる症状で、雪原で太陽の光を反射した光を長時間浴びることで起こります。

また、太陽フレアが非常に強い場合は、光化学反応を引き起こす可能性もあります。光化学反応とは、光エネルギーによって化学反応が起こる現象です。太陽フレアから放出される光エネルギーによって、大気中のオゾン層が破壊される可能性が指摘されています。

オゾン層は、有害な紫外線を吸収する役割を果たしているため、オゾン層が破壊されると、皮膚ガンのリスクが高まると考えられています。

太陽フレアの光は、非常に明るい場合がありますが、短時間しか継続しません。そのため、網膜を損傷するような光を長時間浴びることは考えにくいと言われています。

オゾン層の破壊は、長期的な問題であり、すぐに深刻な影響が出るわけではありません。

このように、太陽フレアの光は、直接的には大きな影響を与えませんが、状況によっては間接的に影響を与える可能性があります。

より細かいメカニズムに関して詳しく知りたい方は本を読んでみるのもいいかもしれません。

太陽フレア由来の影響量がわかると何が嬉しい

太陽フレア由来の影響量がわかると、様々なメリットがあります。今後、太陽フレアの活動が活発化することが懸念されています。そのため、太陽フレアの影響量をより正確に把握することが重要です。

被害予測の精度向上

太陽フレアの影響量は、人工衛星や通信システム、送電網、水質など、様々なものに影響を与えます。影響量がわかれば、これらの被害をより正確に予測することができ、被害を最小限に抑えるための対策を講じることができます。

例えば、太陽フレアの影響で人工衛星が故障する可能性があると分かれば、事前に人工衛星を安全なモードに切り替えることで被害を防ぐことができます。

適切な対策の立案

太陽フレアの影響量がわかれば、より適切な対策を立案することができます。

例えば、太陽フレアの影響で送電網が障害を受ける可能性があると分かれば、事前に送電網を強化するための対策を講じることができます。

リスク管理の強化

太陽フレアの影響量がわかれば、太陽フレアによるリスクをより効果的に管理することができます。

例えば、太陽フレアの影響で航空機の運航に影響を与える可能性があると分かれば、事前に航空機の運航スケジュールを変更したり、安全対策を強化したりすることができます。

経済損失の削減

太陽フレアの影響による被害は、上記のような創業などの観点で大きな影響をもたらすことから経済的な損失にもつながります。影響量がわかれば、被害を最小限に抑えることで、経済損失を削減することができます。

実際に起きた事件・事故など

1989年ケベック州大停電がありました。

 カナダ・ケベック州で発生した大規模停電。太陽フレアから放出されたX線が大気圏を透過し、送電線を焼き付け、約600万人が停電に巻き込まれました。

2003年通信衛星障害には、アメリカにて影響の報告がされています。

アメリカの通信衛星が太陽フレアから放出された高エネルギー粒子に衝突し、誤作動を起こしました。衛星電話やテレビ放送などの通信サービスに影響が出ました。

2012年GPS衛星誤作動も発生しました。

欧州宇宙機関のGPS衛星が太陽フレアから放出された高エネルギー粒子に衝突し、誤作動を起こしました。航空機の運航に影響が出ました。

地球環境への影響

太陽フレアはどのような形で地球環境に影響を与えているのでしょうか?

気温上昇

気温上昇に影響があるかもという論文があります。

David J. Pawlowski, Aaron J. Ridley, The effects of different solar flare characteristics on the global thermosphere, Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics, Volume 73, Issue 13, 2011,Pages 1840-1848, ISSN 1364-6826, https://doi.org/10.1016/j.jastp.2011.04.004

電磁波障害: 

太陽フレアから放出される強力な電磁波は、人工衛星や通信システムに障害を引き起こす可能性があります。

オーロラの発生: 

太陽フレアから放出される荷電粒子は、地球の大気と衝突してオーロラを発生させます。

地磁気嵐: 

太陽フレアから放出される荷電粒子は、地球の磁場を乱し、地磁気嵐を引き起こします。地磁気嵐は、送電網に障害を引き起こしたり、航空機の運航に影響を与えたりする可能性があります。

太陽フレアから放出された光や電磁波は、地球の大気圏に到達すると、様々な影響を及ぼします。

短波通信への影響: 

高エネルギーの電磁波は、短波通信を遮断する可能性があります。特に、高緯度地域では影響を受けやすいです。

人工衛星への影響: 

荷電粒子は、人工衛星の電子機器に損傷を与える可能性があります。特に、GPS衛星のような低高度を周回する衛星は影響を受けやすいです。

電力網への影響: 

強力な磁気嵐が発生すると、送電線に過剰な電流が流れ、停電が発生する可能性があります。

人体への影響: 

太陽フレアから放出される放射線は、人体に有害な影響を与える可能性があります。特に、宇宙飛行士や航空機搭乗員は、被ばく量が多くなる可能性があります。

水資源への影響

太陽フレアは、地球の水資源にも影響を与える可能性があります。具体的には、以下の影響が考えられます。

オゾン層の破壊

太陽フレアから放出される紫外線は、オゾン層を破壊する可能性があります。オゾン層は、有害な紫外線から地球上の生命を守る役割を果たしています。オゾン層が破壊されると、紫外線による皮膚がんや白内障などのリスクが高まります。

水質汚染

太陽フレアから放出される放射線は、水質を汚染する可能性があります。放射線によって水中の生物が死んだり、水質が変化したりする可能性があります。

干ばつ

太陽フレアの影響で、地球の気候が変化し、干ばつが発生する可能性があります。干ばつは、水不足や食糧不足を引き起こす可能性があります。

水資源への影響の例

2003年には、巨大な太陽フレアが発生し、世界中で通信障害が発生しました。この太陽フレアの影響で、日本の水道施設でも一時的に断水がが発生しました。

また、2011年には、東日本大震災が発生しました。東日本大震災では、原子力発電所の事故が発生し、放射性物質が海に流出しました。この放射性物質汚染は、沿岸地域の漁業や観光業に大きな打撃を与えました。

これらの例からも分かるように、太陽フレアは、地球の水資源に深刻な影響を与える可能性があります。今後、太陽フレアの活動が活発化することが懸念されています。そのため、太陽フレアの影響を軽減するための対策を講じることが重要です。

太陽フレアを観測している方法

太陽フレアは、太陽表面で起こる巨大な爆発現象です。短時間で莫大なエネルギーが放出され、光、電磁波、荷電粒子などが宇宙空間に飛び散ります。

太陽フレアを観測するには、主に以下の方法があります。

地上の望遠鏡

太陽フレアは、可視光線だけでなく、X線や紫外線などの短波長の電磁波も放出します。これらの電磁波は、地上の望遠鏡で観測することができます。

可視光望遠鏡

 太陽フレアの光を観測することができます。

X線望遠鏡: 太陽フレアから放出されるX線を観測することができます。

紫外線望遠鏡

太陽フレアから放出される紫外線を観測することができます。

地上からの観測は、太陽フレアの詳細な構造や動きを調べることができます。しかし、大気の影響を受けるため、観測できる波長範囲が限られます。

2. 宇宙観測衛星

太陽フレアは、地上からだけでなく、宇宙空間からも観測することができます。宇宙観測衛星は、大気の影響を受けずに、様々な波長の電磁波を観測することができます。

太陽観測衛星

太陽を専用の望遠鏡で観測し、太陽フレアをはじめとする様々な太陽活動を観測することができます。代表的な衛星としては、日本の「ひので」や、アメリカの「SDO」などがあります。

太陽電波観測衛星

太陽フレアから放出される電波を観測することができます。電波は、太陽フレアの発生場所や強度を推定するのに役立ちます。

宇宙観測衛星による観測は、地上からの観測では得られない情報を取得することができます。しかし、宇宙観測衛星は限られているため、常にすべての太陽フレアを観測できるわけではありません。

3. その他の観測方法

上記以外にも、太陽フレアを観測する方法はいくつかあります。

太陽フレアは、様々な方法で観測することができます。それぞれの方法には利点と欠点があり、複数の方法を組み合わせることで、太陽フレアについてより詳細な情報を得ることができます。

太陽電波バースト 

太陽電波バーストというのは、太陽フレアから出てきた電磁波のことを指します。

太陽フレアから放出される電磁波は、電波として地上に届きます。この電波を測定することで、太陽フレアの発生を検知することができます。

地磁気観測

 太陽フレアから放出された荷電粒子は、地球の磁場を乱します。この磁場の乱れを測定することで、太陽フレアの影響を推定することができます。

これらの方法は、太陽フレアの発生を迅速に検知したり、広範囲の影響を把握したりするのに役立ちます。

太陽フレアの測り方について

太陽フレアの大きさを表す単位は、いくつかあります。代表的なものとしては以下の通りです。

エネルギー

  • ワット (W): 太陽フレアから放出されるエネルギーの総量を表す単位です。
  • エルグ (erg): CGS単位系におけるエネルギーの単位です。1 erg = 1 cm・dyn = 10^{-7} J です。
  • 太陽エネルギー単位 (太陽フレア単位、1 太陽フレア単位 = 10^25 J): 太陽フレアのエネルギーを太陽が1秒間に放射するエネルギー量と比較した値を表す単位です。

X線フラックス

  • ワット毎平方メートル (W/m^2): 太陽フレアから放出されるX線の量を表す単位です。 GOES衛星はこの単位でX線フレアの大きさを測定しています。
  • マイクロワット毎平方メートル (μW/m^2): X線フラックスのより小さな単位です。

光度

  • ワット (W): 太陽フレアから放出される光の総量を表す単位です。
  • カンデラ (cd): 光源の明るさを表す単位です。1 cd = 1 lm/sr です。

階級

太陽フレアはどのくらいの規模感なのか分かりやすいように、いくつかの階級によって一般的にニュースなどで大きさが測られています。これらの単位は、それぞれ異なる側面から太陽フレアの大きさを表しているため、状況に応じて使い分けることが重要です。

  • フレアクラス

 A、B、C、M、Xの5つのクラスがあり、それぞれさらに10段階に分類されます。 X級フレアは、最も大きなフレアです。

ニュースなどで報道されるのはだいたいこのフレアクラスです。

  • 光学重要度

 Ha線と呼ばれる波長で観測された太陽フレアの面積(太陽面の100万分の1を単位とする)に応じて、決定されるフレアの大きさです。

  • S1~S5スケール(太陽嵐)

Solar raditation Storm(太陽嵐)自体はS1からS5までの数字で測ります。太陽フレアの影響度が測られるケースがあります。太陽フレアと太陽放射嵐は、どちらも太陽活動に関連する現象ですが、異なる点があります。

太陽フレアは、太陽表面で起こる爆発的な現象です。磁場のエネルギーが解放されることで、光や熱、高エネルギー粒子などが大量に放出されます。フレアの大きさは様々で、小さなものは数分間しか持続しませんが、大きなフレアは数時間にもわたって持続することがあります。

一方、太陽放射嵐は、太陽フレアによって発生する大規模な電磁波や粒子の嵐です。太陽フレアが発生すると、コロナ物質と呼ばれるプラズマや高エネルギー粒子が太陽風に乗って地球に向かって放出されます。これが地球に到達すると、様々な影響を及ぼします。

Reference:NOAA https://www.swpc.noaa.gov/noaa-scales-explanation   

参考:NASA (2024年5月) How NASA Tracked the Most Intense Solar Storm in Decades https://science.nasa.gov/science-research/heliophysics/how-nasa-tracked-the-most-intense-solar-storm-in-decades/ 

観測機

太陽フレアは、地上観測に加え、様々な衛星や観測機によって観測されています。以下、代表的な衛星と観測機をご紹介します。

実は結構な衛星があるんですよね!

これらの衛星や観測機は、それぞれ異なる波長の電磁波や荷電粒子を観測することで、太陽フレアについてより多角的な情報を取得することができます。国際的な協力によって、これらの衛星や観測機のデータが共有され、太陽フレアの研究が進められています。

太陽観測衛星

ひので (HINODE)

日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発・運用する太陽観測衛星です。2006年に打ち上げられ、X線、紫外線、可視光の観測を行っています。太陽フレアの詳細な構造や動きを解明するのに貢献しています。

なんとひのでをつかって研究したい人は大学院生なら国立天文台にて受け入れしてくれる可能性があるらしいです。気になる人はぜひ応募を!

SDO (Solar Dynamics Observatory)satellite

アメリカの航空宇宙局 (NASA) が開発・運用する太陽観測衛星です。2010年に打ち上げられ、高解像度の画像と動画で太陽の表面を観測しています。太陽フレアの発生過程を詳細に研究するのに役立っています。

SOHO (Solar and Heliospheric Observatory)

ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) と NASA が共同開発・運用する太陽観測衛星です。1995年に打ち上げられ、太陽の表面とコロナを観測しています。太陽フレアの発生とコロナ質量放出 (CME) の関係を研究するのに貢献しています。

Parker Solar Probe

NASAが開発・運用する太陽探査機です。2018年に打ち上げられ、太陽に極めて接近して観測を行うことで、太陽フレアの発生メカニズムを解明することを目指しています。

WIND

NASA と ESA が共同開発・運用する太陽風探査機です。太陽フレアから放出された荷電粒子を直接捕らえることで、その性質を詳細に研究するのに役立っています。

その他の衛星・観測機

太陽観測メインの目的で作られたわけではないですが、ついでに太陽観測もできちゃうすごい衛星はこちらです。

GOES (Geostationary Operational Environmental Satellites)

アメリカの海洋大気庁 (NOAA) が運用する静止軌道気象衛星です。本来は地球環境メインで観測している衛星ですが、太陽フレアから放出されるX線を観測し、地球への影響を予測するのにも役立っています。

THEMIS (Time History of Events and Macroscale Interactions during Substorms)

NASAが運用する磁気圏探査機群です。太陽フレアの影響による磁気嵐を観測し、地球への影響を研究するのに役立っています。

太陽フレアへの対策 地球環境編

太陽フレアは、太陽活動の周期によって発生頻度が変化します。太陽活動が活発な時期には、強力なフレアが発生する可能性が高くなります。

太陽活動を観測することで、太陽フレアの発生をある程度予測することができます。地上や宇宙空間にある観測装置を用いて、太陽の磁場活動や太陽放射などを監視しています。これらの観測データに基づいて、太陽フレアの発生確率や強度を予測するモデルが開発されています。

太陽フレアへの対策としては、下記のような「適応」と「緩和」の2つに主に分けていえることがあるのではないかと思われます。

【適応】

太陽フレアによる被害を防ぐためには、様々な対策が必要です。

短波通信の代替手段の確保 

人工衛星や光ファイバーケーブルなどの代替手段を確保しておくことで、短波通信が遮断されても通信を維持することができます。

人工衛星の耐放射線性強化 

人工衛星の電子機器を放射線から保護するための対策を施すことで、損傷を防ぐことができます。

電力網の保護

送電線に過剰な電流が流れないようにするための保護装置を導入することで、停電を防ぐことができます。

宇宙飛行士や航空機搭乗員の被ばく線量管理

今回のメインテーマの地球とはちょっと離れますが、特に宇宙飛行士の方は太陽に近い場所で作業をしています。宇宙飛行士や航空機搭乗員の被ばく線量を監視し、必要に応じて防護措置を講じることで、健康被害を防ぐことができます。

太陽フレアは、地球に様々な影響を与える自然現象です。太陽活動を観測し、発生を予測することで、被害を最小限に抑えることが重要です。

【緩和】

太陽フレアの影響を軽減するための対策としては、以下のことが挙げられます。

人工衛星の耐放射線化

 人工衛星を耐放射線化することで、太陽フレアの影響による障害を防ぐことができます。

送電網の対策

送電網に対策を講じることで、地磁気嵐による障害を防ぐことができます。

オゾン層の保護 

オゾン層を保護するための対策を講じることで、紫外線による影響を防ぐことができます。

節水水質汚染対策

 水質汚染対策を講じることで、放射線による水質汚染を防ぐことができます。

節水することで、水資源の枯渇を防ぐことができます。

太陽フレアは、地球環境に様々な影響を与える可能性があります。水資源への影響も深刻な問題です。今後、太陽フレアの活動が活発化することが懸念されています。そのため、太陽フレアの影響を軽減するための対策を講じることが重要です

おわりに

いかがでしたでしょうか。

宇宙と地球環境って、密接につながっているんですよね。

こういった宇宙気象は今後どんどん注目が高まっていくことでしょう!

宇宙と地球環境についての記事はこれからもどんどんできる限り増やしていきたいと思っております!

宇宙気候学の分野では、少し太陽フレア自体からは離れますが宮原ひろ子さんという方の本がとても分かりやすく面白いのでぜひ読んでみてほしいです。

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか:太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来

宇宙についてのほかの記事はこちらより確認できますので、関心ある方は見てみてくださいね。

それでは!

主な参考

NOAA https://www.swpc.noaa.gov/ 

国立研究開発法人情報通信研究機構 宇宙天気予報 https://swc.nict.go.jp/ 

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