サステナビリティ

一番エコな電力会社の探し方 〜「100%再エネ」に騙されない、本当に地球にやさしい選び方〜

みなさんこんにちは、logminamiです。

電気って、目に見えないからこそ、どこから来てるか意識しづらいですよね。でも、「地球にやさしく暮らしたい」と思っている人にとって、電力会社の選び方は意外と重要なテーマです。

実は、「100%再エネ」とうたっている電力会社でも、その中身をよく見ると「え、これ本当にエコなの?」と疑いたくなるケースがあるんです。私も最初は、「とにかく再エネって書いてあるところにすればいいんでしょ」と思っていたのですが、いろいろ調べていくうちに、それだけでは足りないことに気づきました。

この記事では、エコ電力の真実や、日本・海外の事例、本当にサステナブルな電気の選び方について、できるだけわかりやすく紹介していきます。もちろん、最後には自分にぴったりな電力会社を選ぶヒントもお届けします。


「100%再エネ」に騙されないで

いまや、電力自由化によって誰でも電力会社を自由に選べる時代。「100%再エネ使用」とうたう会社も増えてきました。でも、ちょっと待って。実はこの「100%再エネ」、かなり曖昧な表現なんです。

電力には「同時同量の原則」があります。つまり、発電と消費がリアルタイムでバランスしていなければなりません。太陽光や風力といった自然エネルギーは天候によって発電量が変動するため、実際には火力や原子力といった他の電源と組み合わせて使われることが多いです。

では、どうやって「100%再エネ」と主張しているのか?

その答えの多くが、「非化石証書」にあります。


非化石証書とは何か?

非化石証書とは、「この電気は化石燃料を使っていない電源で発電されました」という“属性”を切り離して売買できる仕組みです。つまり、実際には火力由来の電気を使っていても、別で再エネ由来の証書を買ってくっつければ「うちは再エネです」と言えてしまうのです。

この仕組み自体は、ヨーロッパをはじめとする多くの国でも使われており、温室効果ガスの排出量削減に貢献する制度として評価されています(参考:European Commission, 2023)。

でも、消費者の立場からすれば、ちょっと複雑な話です。「え、うちに届く電気って再エネじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。

そうなんです。「見かけ上の再エネ」と「実質的な再エネ」は、まったく別のものだと理解する必要があります。


ちゃんと読んだ?スタンダードプランにはエコが入ってないかも

多くの電力会社では、いくつかの料金プランがあります。中には「エコプラン」や「グリーンプラン」といった名前のプランもあり、これらを選ばないと再エネが含まれない場合もあります。

例えば、某大手電力会社では、「スタンダードS」は通常の火力混合型で、「グリーンS」のみ非化石証書を付加して実質再エネと表示されていました。つまり、何も知らずに「スタンダードS」を選んでいると、まったくエコではなかった、ということも起こりうるのです。


真のエコ電力とは?3つの視点で考える

1. 発電実態にこだわる会社か?

単に「非化石証書」でごまかしていないかを見極めるには、その会社がどんな電源構成を持っているかを調べるのが有効です。実際に自社で太陽光・風力などの再エネ設備を持っている、または地域の再エネを調達している会社は信頼度が高いです。

発電者の顔が見える仕組みを提供しており、「誰がつくった電気か」まで開示しているような企業まであります。

2. 利益重視か理念重視か?

上場企業の中には、再エネを「トレンドとして商品化」しているだけで、理念としての脱炭素にはあまり熱心でないケースもあります。一方で、地方で小さくやっているけど再エネの理念に基づいて活動している会社もあります。そうした会社の多くは、「再エネ100%実質化」ではなく、「再エネ100%実供給」を目指しています。

3. プランの透明性と説明責任

ウェブサイトを読んでもよくわからない、問い合わせても抽象的な返答しかない――そんな会社は避けましょう。逆に、「非化石証書を利用しています」と明記していたり、電源構成を開示していたりする会社は、ユーザーとの信頼関係を大切にしていると判断できます。


オンサイトPPAという選択肢 〜「つくる電気」と「つかう人」を直接つなぐ〜

最近、日本でも注目が高まっているのが「オンサイトPPA(Power Purchase Agreement)」という仕組みです。これは、企業や施設の敷地内に太陽光発電設備を設置し、発電された電気をその場で消費者(主に事業者)が購入・使用するという方式。送配電網を通さず直接エネルギーを得られるため、電力のロスが少なく、かつ真に追加的な再エネ導入につながる手段として評価されています。

このモデルの最大の魅力は、「属性を買う」再エネではなく、「発電そのものを地に足つけて実行する」ことに企業が関与する点です。非化石証書やバーチャルPPAとは異なり、実際に自社の屋根で電気がつくられ、それを使う。つまり、“再エネの追加性”という観点で非常に強力なインパクトを持っています。

オンサイトPPAを導入している日本企業の例

  • イオンモール全国のショッピングモールに太陽光パネルを設置し、施設内の電力を賄う取り組みを積極的に進めています。
  • キユーピー群馬工場でオンサイトPPAを導入し、温室効果ガス削減のKPIに直接貢献。

これらの企業は単なる「再エネ利用企業」ではなく、「再エネを増やす主体」でもある点が評価されます。

海外ではさらに進んだ事例も

たとえばアメリカでは、AppleやGoogleなどが自社のオフィスやデータセンターの屋根にオンサイト発電を展開しているのはよく知られています。特にAppleは、2020年時点ですでにすべての施設で100%再エネ運用を達成し、その多くを自社施設の屋上や隣接地でまかなっています(Apple, Environmental Progress Report, 2022)。

また、インドやベトナムなどの新興国でも、外資系企業がオンサイトPPAによって現地の電力問題に貢献しながらサステナビリティ経営を行っている例が増えています。


オンサイトPPAを個人が選ぶことはできる?

「でも企業だけの話でしょ?」と思った方。実は、個人でも似たようなモデルを構築することは可能です。たとえば、屋根に設置できる家庭用ソーラーパネル小規模蓄電池は、AmazonやYahooなどでも購入できます。補助金制度を活用すれば導入費用もグッと下がります。

もちろん、オンサイトPPAそのものとは異なりますが、「自分の家で電気をつくる」という体験を持つことは、環境を考える上で非常に意義あるステップになるはずです。

家の再エネ事情:海外ではどうなっている?

ドイツ:市民電力が変える再エネの形

ドイツでは「Bürgerenergie(市民電力)」という形で、市民が出資して風力や太陽光発電を共同運営する仕組みが広がっています。単に再エネを「買う」だけでなく、「つくる側」になるという意識が根付いています。

また、政府も透明性を高める制度設計を進めており、電力のトレーサビリティ(追跡可能性)が日本よりも進んでいます。

アメリカ:再エネ選択の自由度が高い州

カリフォルニア州などでは、地域の再エネコミュニティプログラム(CCA)が活発で、消費者が自分でエネルギーミックスを選べる仕組みがあります。GoogleやAppleなどの大企業も、自社データセンターの電力を100%再エネで運用しており、こうした需要が再エネ市場を支えています。


日本の注目事例:地元で選べる再エネ

たとえば、長野県では「おひさま進歩エネルギー株式会社」が、地域の太陽光発電を中心とした電力供給を行っており、地域経済の循環にも貢献しています。都市部では難しい面もありますが、地方から再エネの選択肢を広げる取り組みが静かに、でも着実に進んでいます。


じゃあ、どこを選べばいいの?

これまでの話をふまえた上で、エコな電力会社を探すには以下のような視点を持つといいでしょう。

  • 発電方法と証書の内訳を開示しているか
  • プランの中に再エネ100%の実供給型があるか
  • 消費者に選択肢を与える姿勢があるか
  • 社会貢献や地域貢献に取り組んでいるか

そして何より、自分が「これなら納得できる」と思える会社を選ぶこと。それが持続可能な選択への第一歩です。


ちょっとした選択が、大きな変化を生む

電力の選択って、日々の生活で忘れがちだけど、実は一番手軽にできる環境アクションかもしれません。引っ越しや契約更新のタイミングで見直すのはもちろん、今すぐ「電気 再エネ 比較」などで検索するだけでも世界は変わります。

ちなみに、比較には以下のようなサイトが便利です:

  • エネチェンジ
  • みんな電力
  • Looopでんき

AmazonやYahooで購入するソーラーランタンや蓄電池も、小さなオフグリッド生活の一歩としておすすめ。例えば:

無理して全部エコにする必要はありません。でも、ひとつでも「ちゃんと選ぶ」ことが、未来を変えていく力になると思います。

そのほかのサステナビリティなどに関する情報については、こちらよりご覧ください。

それでは!

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