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ロシアの別荘兼家庭菜園の場、ダーチャが素敵【家庭菜園】

みなさんこんにちは、みなみです。
突然ですが、ロシアのダーチャ文化について聞いたことはありますか?
個人的な見解としては、日本ではあまりロシアの文化的交流がなく(よく考えればロシアがルーツのものはいろいろあるのですが知られてないことが多いですね)、ロシアにすごく興味のある方、あるいはロシア人の友人がいるという方でない限り、初めて聞いた方が大半ではないかと思います。

ダーチャとは「別荘」とよく訳されますが、実はロシア人の家庭菜園ライフを長い間支えている存在です。

なんと2011年の調査によれば、国内で生産された農作物の40%はダーチャで作られたものだとか。ある意味、農家をしのぐ勢いですよね。

本記事ではなぜ多くのロシア人がダーチャを持っているのか、歴史から実際に見に行くにはどうすればいいかまでまとめます。

1:ダーチャとは

まず、ダーチャというもの自体についてです。

上記でも書きましたが、ダーチャとはロシアの別荘です。「別荘」と日本語で書くとなんだかロシアの富裕層のみがもつ休暇を過ごす場所か?と考えられそうですがそうではありません。

 由来はロシア語で「与えられた土地」という意味の「ダーチャ(дача)」 から来ています。

実際、すべてのロシア人が持っているかというとそうではないらしいですが、それでも2015年前後の時点で モスクワ人口の半分は所有しているとのこと。現在もそれほど変わってないのではないでしょうか。

ダーチャでの過ごし方は主に家庭菜園と家族とのんびり過ごす、等です。

この家庭菜園は自分の普段住んでいる家でやるわけではなく、わざわざ別の場所にあるダーチャまで行きます。モスクワなどの都市に住んでいる方は特に郊外に出かけます。

首都モスクワに住んでいる人々は週末や夏になると家族とダーチャに行って過ごします。みんな都市の郊外にダーチャを持っており車で向かうため、週末の道路はいつも混雑しているよう。

ダーチャはやはり日本語の別荘ともセカンドハウスとも少し違った存在であり、ロシア映画を見るとたまに「ダーチャに行く」などの話題が出てきます。それほどまでにダーチャは多くのロシア人にとって大きな存在であることがわかりますね。

ダーチャの種類は多岐にわたり、気で簡素にできた小屋のようなものからレンガ造り、豪邸のようないかにも「別邸」という名にふさわしいようなものまで、様々です。

1930年あたりから世間の著名人や官僚に創作の場としてダーチャが与えられはじめ、次第に都市部にすむ一般の人々にも与えられました。つまり、すべての人にダーチャが与えられたわけではなく、あくまで都会人が持つためのいえだったということですね。


2:ロシア人にとっては大変な作業!?

このダーチャ文化、彼らが全員好き好んで趣味としてやっているのかと思われそうですがむしろロシア人にとっては不評です。私も「ロシア人は家庭菜園が好きなんだなぁ…」と最初思ってましたがみんながみんなそうではないみたいです。

豊田 菜穂子さんの本を読んでみるとロシア人の方もあまりダーチャの家庭菜園管理には前向きではないようです。虫は沢山だし、電気や水も限られているほどの田舎・・・。

私もダーチャを持つ友人に聞いてみましたが「お母さんの野菜の手伝いをしなきゃいけない。休みがなくなっちゃう」と言っていました。

確かに、やりたくない人からすれば強制的に野菜の手伝いをされているんですものね。それはなかなかのつらい修業扱いになるでしょう。

さらには電気や水道なども自分で引かねばならず、実用的なダーチャにするにはかなりの手間がかかりそう。もちろん業者を呼ぶことだってできるのでしょうが、費用がすごそうですよね。

しかし、もちろんダーチャ愛好家もいます。やはりあくまで好き嫌いはその人次第ということですね。

3:なぜダーチャ文化ができたの?

では、「そんなに面倒なら初めからダーチャを持たなくてもいいじゃない?」と思いますよね?私もそう思います。
でも実際は歴史的背景が影響しており、そう簡単にはできません。

ダーチャはソ連時代の食料が少ない時期に食糧危機を逃れる一つの策として国が決めた政策に則っています。

ソ連政府が食糧難に陥っていた際、政府は国民が自給自足してくれるようにすれば効率的でかつ国民への食糧不足の問題も解決できると考えました。

ソ連崩壊後の経済混乱による食糧不足の最中でも餓死者がでなかったのは、ダーチャの農業生産力(国内のジャガイモ生産量の90%がダーチャなどで作られたもの)があったからだという説があります。ダーチャの存在は大きい。

この政策の凄い所は「タダで」「無期限で」土地を分け与えてくれた点です。無期限だからこそ現在まで持っている人がまだこんなにたくさんいるわけですね。確かにロシアは広大な土地で人口もそれほど多いわけではないので土地を有効活用したいという意図もあったのではないでしょうか。

ダーチャのおかげもあり、当時のソ連はなんとか食糧危機を乗り越えることができました。

現在でもロシアの賃金は高いとは言えず、ロシア人の多くの家庭を支えるダーチャの存在意義はあるといえるのではないでしょうか。

中には鶏や豚を飼って肉や卵など、たんぱく質の自給自足をする人もいるようです。たくましい、ロシア人。

・・・とはいっても、時はすでに2019年。現在では富裕層の間ではすでに畑を持たず、輸入品を持っていくなどしている人もいるようです。

畑仕事をする代わりに周りに邪魔されず、自分の好きなことをやる空間にもなっているそう。番犬を飼う家もあるのだとか。絵にかいたような別邸ですよね。

現在はすべてのロシア国民がダーチャを持っていなければならないという決まりはなく、ダーチャの維持の大変さから手放す家庭も増えているそう。

4:ダーチャを見てみたい!どうすれば見れる?

こんなに魅力的なダーチャを見るメジャーな方法は今のところ大きく分けれ2つしかないように感じます。
それは、友人や知人伝いに誘ってもらうorツアーに参加するです。

ロシアの方と仲良くなると、よくダーチャに招待されるそうです。
私は残念ながらまだ行った事はないのですが、、是非一度行ってみたいと思います。

実は観光ツアーなどでダーチャを見に行くものもあったりしますので、ダーチャが目的というよりはダーチャ見学を含んだツアーがあるかロシア関連の旅行会社・団体に問い合わせるのも一つの手でしょう。日本語ではほとんど情報が皆無ですので英語やロシア語で探してみてください。

しかし、ツアー用のダーチャはどちらかというと貴族の家系だった人の別荘であるダーチャに行く、といったものが多い気がします。いかにも庶民的な田舎風のものを見たい場合はチェックしましょう。

如何でしたでしょうか。

日本語ではまだまだ情報が少ないダーチャですが、興味を持った方は英語やロシア語などで情報をもっと探してみてくださいね。

Reference

豊田菜穂子(2013)『ダーチャですごす緑の週末』WAVE出版

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