【日本国内で実際に受けてきた】まだ謎の多いロシア語試験ТРКИ(テ・エル・カ・イ)とは【ロシアでもOK?】
(Last update: 15th November 2023)
こんにちは、みなみです。
私は現在ロシア語を学習しておりまして、日本国内で行われているロシア語検定以外の試験を受けたことがありませんでした。ですがこの度ТРКИを知って受験してみようという気持ちになり、実際に東京へ受験しに行ってきました。
本記事では基礎的なТРКИの試験の概要から試験当日まで、ご紹介いたします。
それでは、どうぞ。
目次
①ТРКИ(テ・エル・カ・イ)とは?何のために使われる?
ТРКИ(テ・エル・カ・イ)はロシア連邦教育科学省認定のロシア語検定試験です。ロシア語圏で基本的に行われている国際的な効力を持つロシア語能力を証明することができます。
レベルは入門レベル、基礎レベル、第1レベル、第2レベル、第3レベル、第4レベルの6つの段階に分けられいて、第1レベルが大学留学レベル、第2レベルが大学院留学レベルといわれています。ヨーロッパ言語の試験と数え方は違うものの、 入門レベルのA1から最上級レベルのC2という基本的な段階設定は同じですね。
各レベルの試験は 文法・語彙、読解、聴解、作文、会話 の5科目で構成され、合格するには5科目それぞれが66%以上を得ることが基本的に必要です。 ですが4科目が66%以上でかつ、残り1科目が60%以上の場合も合格とみなされるようです。救済措置もあるなんて素敵。
全科目が基準点数に達すると、成績表とレベル認定証が授与されます。一度目の受験で基準点に達しない科目が2科目までの場合に限り、合格科目は2年間有効とされ、2年以内に不合格科目のみ再受験をすることができます。その場合の受験料は半額程度になります。
基本的には大学など留学するときにロシア語の証明だったり、ロシア語で仕事を探したい人のための資格といえるのではないでしょうか。
ロシア語専攻の方であればこの件に関して詳しいかもしれませんが、私はロシア語専攻というわけではなかったので「スペイン語や英語の世界的な資格があるならロシア語でもそれに値する検定試験があるんじゃないか」とおもったことが、本試験を知ったきっかけでした。
効力は下の入門・基礎レベルに制限がありますが、それ以上の第一レベルから上は永久に使えます。
②日本では年に1年の頻度で開催
本試験は基本的にロシアで開催されている試験ですが、日本でもJCA日本対外文化協会が主催で本試験の開催をしています。
2019年現在では本試験は8月22日(木)~25日(日)の4日間で、そのうち希望の日を一日あるいは二日使って試験を受けます。ちなみに私は第一レベルを受験して一日(朝から夕方まで)で終わりました。
基本的なスケジュールは人によって個別化されており、一般化できないのですが下記でまた私の場合の時間割について記述いたします。
③辞書が持ち込み可能
なんと、この試験にはロシア語の辞書の持ち込みが可能です。これは一般的な語学試験と違うところですよね。なぜか考えたのですが、もしかすると宮廷の話だったりロシアの歴史についての文章があるからかもしれません。
どの試験項目で何が見れるのかはレベルによりますが、私が受験した第一レベルでは電子辞書と紙辞書、どちらも使ってOKでした。
第一レベルでは会話の一部(読み物を読んで要約と質問について答えるセクション)、読解、ライティングで使用できました。文法とリスニングでは使えません。でも、たとえこの二つの項目で使えたとしても使う時間がないかもしれませんね。そう思うと最大限使うことができたのではないかと思います。
第2レベルからは紙の辞書のみ、第3レベルはよくおぼえていません。記憶の限りでは確か禁止だったように思いますが、詳しくは主催側に問い合わせてください。
④試験当日
2019年は都内の東海大学でテストが行われたので行ってきました。最寄り駅は高輪駅。ここでは第一レベルの場合の体験談として書きます。
当日の流れはまず受付に行って当日の各試験の時間割と部屋番号が書かれた紙、そしてロシア政府との契約書を渡されます。
契約書に関しては試験を受ける際にサインをしなければならないとのことで、中身をチェックし自分の名前などをサインします。この仰々しいスタイルもロシア?試験会場は思った以上に人がいません。土曜日だったからでしょうか。午後になるとさらに人が減ります。
ちなみに受験の約2~3週間前に下記のような書類が自分の登録した住所あてに送られてきます。
この左下の青い受験票で試験を受けます。当日は忘れないようにしましょう。その他は開始時間が書いてある試験概要、試験中の詳細と注意、そして受験会場までのマップが入っていました。
私の場合は、まずライティングの試験がありました。ライティングは20文以上書きなさいという問題が二つ。辞書を使いながら答えます。
終わって20分の休憩をはさんだのち、会話の試験でした。試験の前半に会話の試験をやるとは、新鮮です。ここは教室内に二人入って簡単な会話の質問に答えるものと読み物をまとめたり自分の事について話す会話のテストの二種類あり、どちらが先にやるか決めて、試験を始めます。先に何もメモせず会話の試験を行う場合は先にテストを受け、読み物を読むタイプを先にやる人は後ろで読んでいました。一方が終わると交代します。ちなみに一方が会話はデジカメで録画されます。第一レベルではすべてロシア語ではなく試験の指示についてわからないところがあるといったところは日本語で親切に教えていただきました。
お昼休憩が50分程度あり、ご飯を食べます。試験会場付近にはコンビニなども特にないのでお弁当を持ってくることは必須です。それか事前に食べるものを買ってきましょう。
休憩が終わったら試験再開。リスニングをうけ、そのあとに文法のテストがありました。
⑤ロシアに滞在する予定がある方は現地の方が得!!
国内ではロシアではかなり割安で受けることができます。
私は2018年にロシア大使館主催のロシア語学短期留学プログラムに参加して、そこでロシア語選考の方々が何人かТРКИを受けていました。確か当時はルーブル安の影響もあってさらにお得になってました。1万円以下だったように思います。5000ルーブル前後でしょうか。日本で受けると2万円前後します。
私たちのプログラムがロシア語学を学べるプーシキン大学(Государственный институт русского языка имени А. С. Пушкина)で行われたこともあり、平日の一日を使って(金曜日だったと思います)語学学校での授業はありましたが、みんなその日は毎日授業に行っていた人も休んで行っていました。
こんなにロシア語をロシアで使っている習慣があるタイミングがあるなら、そのままテストを受けたほうが受かる確立も上がりそうですよね。
ロシアでのТРКИ はかなり謎システムです。おそらく学校の先生が受けそうな方に聞いている、あるいはテストを受けたいという生徒の要望があり次第実施するといったような形でしょうか。とりあえず受けたいと思ったら周りに相談することが吉ですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
試験の見本はこちらで確認することができますので、興味を持った方はぜひ、まずは見本で力試しをしてみてくださいね。
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