Russia,  Russia,  Russian (language),  Culture

ロシア語の試験を受けるなら何を選ぶ? 日本の「ロシア語能力検定」とТРКИを、体験ベースで整理してみる

Hello everyone, this is logminami.

私は「ロシア語を最初から最後まで一直線に、ずっとメインで勉強してきました」というタイプではありません。 大学の授業、独学、その時その時で使える機会を拾いながら、できる範囲でロシア語に触れてきました。 だからこそ、「ロシア語の試験って何を受ければいいの?」「日本の検定とТРКИってどう違うの?」という疑問には、かなり実感を持って向き合ってきた気がします。

ロシア語は、英語や韓国語ほど日本で受験情報があふれている言語ではありません。 そのぶん、試験選びを間違えると「せっかく頑張ったのに、思っていた用途と違った」ということも起こりやすいです。 逆に言えば、自分の目的に合う試験を選べると、学習の軸がかなり安定します。 実際、日本のロシア語能力検定は学習到達の確認や国内での能力証明に向いた公開試験として案内されており、ТРКИはCEFR対応のロシア語試験として国際的な文脈で位置づけられています。 2026年時点の公式情報では、日本のロシア語能力検定は例年5月と10月に実施され、5月は3級・4級、10月は全級が実施されます。1級・2級は年1回です。 [1] [2]

 So here you go.

まず結論:日本国内の節目なら「ロシア語能力検定」、国際的な進学や実務なら「ТРКИ」を先に考える

最初にざっくり言ってしまうと、日本でロシア語を学んでいて「まず受けやすい試験」を探しているなら、ロシア語能力検定はかなり取り組みやすいです。 日本語で情報が集めやすく、過去問や音声も比較的アクセスしやすいので、「今の自分の力を測る」にはとても向いています。 公式にも、この検定は「露文和訳」「和文露訳」を含む日本で唯一の公開制検定で、学習到達点の確認や次の目標設定、就職活動時の能力証明にも役立つと説明されています。 過年度問題は販売されており、音声はMP3で無料ストリーミング・ダウンロードが可能です。 [2]

一方で、ロシア語圏の大学への入学、留学、あるいは「海外でも通じるロシア語資格」という文脈なら、ТРКИのほうが明らかに実用的です。 サンクトペテルブルク大学のLanguage Testing Centreでは、TORFL/ТРКИがA1からC2までの6レベルで運用され、CEFRに対応するロシア語試験として案内されています。 また、Writing、Vocabulary/Grammar、Reading、Listening、Speakingの5技能で評価されることも示されています。 [3]

つまり、同じ「ロシア語の試験」でも、向いているゴールが少し違います。 英語でたとえるなら、日本国内での学習節目や国内向け証明としての検定と、海外進学・国際標準寄りの試験が並立しているイメージです。 どちらが上、どちらが下、というより、「どこで使いたいか」が大事なんですよね。

2026年時点のロシア語能力検定の実施スケジュールは、5月と10月

2026年4月時点で公式サイトに出ている情報では、ロシア語能力検定は「例年5月、10月に実施」で、5月は3級・4級のみ、10月は全級です。 第87回試験では、4級と3級が2026年5月31日に実施され、合格発表は2026年7月15日とされています。1級・2級は年1回で、10月側に回る形です。 [1] [2]

この点は、昔の情報や個人ブログの古い記事を見ていると混ざりやすいところなので、受験前には必ず最新要項を見たほうがいいです。 語学試験は日程の勘違いが本当に痛いですし、ロシア語は受験回数が限られるぶん、1回逃したときの心理的ダメージも大きいです。

ロシア語能力検定は、初学者にとって入りやすい試験だと思う

これはかなり個人的な感覚でもあるのですが、ロシア語を勉強し始めたばかりの人にとって、日本のロシア語能力検定は入りやすいです。 特に、ТРКИのように説明や設問の運用まで含めて外国語試験の空気に慣れていない段階では、「日本語で対策できる」「何を勉強すればよいかを掴みやすい」というだけで、かなり気持ちが楽になります。 公式要項でも、4級は名詞・形容詞・代名詞の格変化、動詞の時制、簡単な複文などが中心で、習得語彙は約500語、3級はそこに個数詞、順序数詞、比較級・最上級、移動の動詞、関係代名詞などが加わり、習得語彙は約1000語とされています。 [2]

私はロシア語を勉強し始めて1年目に4級を取りました。 1年目で検定を受けるのって、実力以前に心理的ハードルが高いですよね。 「まだ早いかな」「受けても落ちそうだし」と思いやすい。 でも、今振り返ると、あの時点で受けておいてよかったです。 受験することで、「何が分かっていて、何があいまいか」がはっきり見えたからです。

ロシア語って、勉強を続けていても、自分が前進しているのか分かりにくい言語だと思います。 格変化も、動詞の体も、移動動詞も、最初はとにかく「終わらない感じ」がある。 でも試験という締切が入ると、少なくとも「この範囲までは一度ちゃんと固めよう」という意識が生まれます。 これは独学を続けるうえで、かなり大きいです。

4級・3級のレベル感はどう考える?

4級は、「ロシア語を勉強し始めた人が、最初の具体的な目標として置きやすい級」だと思います。 公式には、4級で日常のごく基本的な会話、ゆっくりしたテンポでの簡単な聴取、短い文章の読解、やさしい内容の露訳が想定されています。 旅先での注文、買い物、道や時間を尋ねる程度の簡単なコミュニケーションも到達イメージに入っています。 [2]

3級になると、少し「使える感じ」が増してきます。 公式の到達度判定基準でも、現地の人と自分のことや身近なことについて話せる、日常生活で意思疎通ができる、ゆっくりしたテンポなら長めのテクストが理解できる、手紙や日記のような平易な文章を書ける、といった説明になっています。 [2]

私の感覚では、3級は「ロシア語を2年くらいコンスタントに続けていたら届く人が多そう」ではありますが、決して自動的に取れる級ではないです。 私は一度うまくいきませんでした。 けれど、その後ТРКИの中級レベルの試験に通ったので、語学学習って本当に一直線ではないなと思います。 ある形式の試験では伸び悩んでも、別の形式では意外と通ることがあります。 だから、ひとつ不合格だったからといって、「自分は向いていない」とまでは思わなくて大丈夫です。

ТРКИは「国際的に使いたい人」に強い

ТРКИについては、以前別記事でも書いた通り、ロシア語圏の学校に入学・留学したい場合や、ロシア語圏でのキャリアを意識する場合は、こちらを見ておく価値が高いです。 CEFRとの対応が明示されていること、そして5技能で測る設計であることが大きいです。 サンクトペテルブルク大学の案内では、A1からC2までの6段階で、A1・A2・B1・B2・C1・C2に対応しています。 さらに、サンプルテストやデモテストも公開されています。 [3] [4]

私自身、ТРКИでは会話が壊滅的だった記憶が今でもあります。 二人同時に口頭試験教室に呼ばれて、もう一人の人がかなり流暢に話していて、「え、世界が違う」と思いました。 試験って、他人の出来が見えるだけで必要以上に焦りますよね。 しかも語学の口頭試験は、「うまく話せたか」以上に、「聞かれたことに答えられたか」「やり取りとして成立したか」が大事だったりします。 流暢さと合格感が必ずしも一致しないのは、ロシア語に限らず語学試験あるあるです。

大学時代、週2回ほど授業を受けて、2年目か3年目くらいでB1を取れた記憶があります。 もちろん学習環境や密度によるので、これは万人に当てはまる話ではありません。 ただ、ТРКИは「話す・聞く・読む・書く」をかなり総合的に見る試験なので、教室学習でも独学でも、どこか一技能だけ極端に弱いとしんどくなりやすい印象はあります。

語学試験では「不安」が成績を下げることがある。これは気のせいではない

ここは個人的にかなり大事だと思っています。 語学の試験、とくに口頭試験や聴解を含む試験では、「実力がない」ことと「不安で出せない」ことが混ざりやすいです。 そして研究でも、言語不安は実際に学習成果やパフォーマンスを下げうる要因として扱われています。 2025年のレビューでは、language anxietyは言語使用・理解・表出に対するネガティブな情動反応であり、言語能力の向上を妨げると整理されています。 さらに、2025年のメタ分析では、外国語不安と学業成績の間に中程度の負の相関が見られています。 [5] [6]

これを知っているだけでも、試験前の気持ちは少し変わります。 「緊張している自分はダメだ」ではなく、「緊張は成績に影響しうるから、対策対象なんだ」と考えられるからです。 語学試験に向けては、知識を増やすだけではなく、本番形式に慣れることもかなり重要です。 家で声に出す、短くても録音する、模擬的に時間を切る。 こういう地味な練習が、当日の心拍数を少し下げてくれます。

じゃあ、実際どう勉強すればいいのか

ロシア語学習でよくあるのが、「文法書は進んでいるのに、単語が定着しない」「読めるけれど聞けない」「試験前だけ詰め込んで忘れる」です。 ここで参考になるのが、語学学習研究で比較的一貫して支持されている「間隔をあけた想起」と「多読・多聴」です。

まず単語については、間隔をあけて思い出す練習、いわゆるspaced retrievalが長期保持に有効だという知見があります。 日本人英語学習者を対象にした研究でも、L2語彙学習においてspaced retrievalは長期保持に有効で、特にexpanding scheduleが有利だったと報告されています。 モリモリ一気に暗記するより、「少し忘れかけた頃に思い出す」ほうが残りやすいわけです。 ロシア語の格変化や不規則動詞も、まさにこの方式のほうが相性がいいです。 [7]

次に読む力。 これは、試験対策だけに閉じるより、「少しやさしめのものを継続して読む」ほうが効きます。 Reading in a Foreign Languageに掲載された研究では、オンライン多読プロジェクトが学習者の読書動機、習慣、言語面にポジティブな影響を与えたことが報告されています。 ロシア語学習者向けには、ゆっくり読める教材やニュース記事サイトを使って、毎日少しずつでも読むほうが、結果的に試験の読解と語彙に返ってきます。 [8]

このあたり、私は「エコに勉強する」感覚も少し大事だと思っています。 紙の教材を大量に増やしすぎず、まずは手元の問題集を回し、音声は公式配布のMP3を活用し、ニュースや公開教材をこまめに使う。 学習って、気合いで教材を買い足すほど続くわけでもないんですよね。 むしろ、少ない素材を丁寧に繰り返すほうが、財布にも環境にも、そして記憶にもやさしいことが多いです。

私ならどう選ぶか

ここまでを踏まえて、かなり単純化して言うと、こんな感じです。

「まず日本で受けやすい目標が欲しい」「独学の区切りが欲しい」「露文和訳・和文露訳も含めて力を測りたい」なら、ロシア語能力検定。

「留学や進学で使いたい」「国際的に通じる資格が欲しい」「CEFR対応の試験で4技能以上を総合的に見たい」なら、ТРКИ。

そして、両方やるのも普通にありです。 日本の検定で学習サイクルを作り、必要になった時点でТРКИに進む。 これはかなり現実的です。 実際、ロシア語能力検定の公式側も、学習到達の確認と次の目標設定に役立つと述べていますし、ТРКИ側は国際的な基準に沿った試験として運用されています。 目的が違うなら、両方の価値も違って当然です。 [2] [3]

ロシア語の試験は、「勉強が続く仕組み」として使うといい

最後にひとつだけ言いたいのは、試験は「偉い・偉くない」を決めるものではなく、「学習が続く仕組み」として使うとかなり有用だということです。

ロシア語は、たとえ好きでも、途中で「自分は何をやっているんだろう」と思いやすい言語です。 格変化を覚えたと思ったら次は動詞の体、その次は移動動詞、その先に形動詞や副動詞が待っている。 終わりが見えにくい。 だからこそ、試験という形で小さな通過点を作る意味があります。

私自身、これから語学留学でもしない限り、かなりの部分を独学で続けていくことになると思います。 だからこそ、もしまた新しく検定を取ったら、そのときは改めて記事にしたいです。 ロシア語は、派手に近道できる言語ではないけれど、少しずつ続けた分だけ確かに返ってくる言語でもあります。 海外や異文化に関心がある人にとって、ロシア語は今でも十分に面白い入り口ですし、その学び方を少しずつ整えていくこと自体が、世界との関わり方を丁寧にしてくれる気がしています。

焦らなくて大丈夫です。まずは、自分の目的に合う試験をひとつ選ぶところからでいいと思います。

For other information on overseas travel and language learning, please seeClicking here.

Well then!

参考文献

  1. ロシア語能力検定委員会. (2026). ロシア語能力検定試験・試験日程・会場. 東京ロシア語学院. https://www.tokyorus.ac.jp/kentei/schedule.html
  2. ロシア語能力検定委員会. (2026). 2026年度(第87回)公開試験実施要項(3級・4級)ロシア語能力検定. 東京ロシア語学院. https://www.tokyorus.ac.jp/kentei/youkou_87.pdf
  3. Saint Petersburg State University, Language Testing Centre. (n.d.). TORFL – Language Testing Centre. https://testingcenter.spbu.ru/en/exams/russian/torfl.html
  4. Saint Petersburg State University, Language Testing Centre. (n.d.). Exam preparation. https://testingcenter.spbu.ru/en/exam-preparation.html
  5. Kim, C., Aichler, L., Bridgett, T., Nicolarakis, O., Lacy, S. H., Sortino, R., Kushalnagar, P., & Pizzie, R. (2025). Language anxiety: Understanding past research and new directions with d/Deaf, DeafBlind, and hard of hearing communities. Frontiers in Psychology, 16. https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2025.1558714/full
  6. Chen, W. C. W. (2025). Systematic review and meta-analysis of the relationship between foreign language anxiety and academic achievement in Chinese language learners. Frontiers in Education, 10. https://www.frontiersin.org/journals/education/articles/10.3389/feduc.2025.1576224/full
  7. Yamada, T. (2023). The effects of relative spacing on L2 vocabulary learning for Japanese EFL learners. KATE Journal, 36, 43–52. https://www.jstage.jst.go.jp/article/katejournal/36/0/36_43/_article/-char/en
  8. Tabata-Sandom, M. (2023). A case study of the impact of online extensive reading on the L2 reading motivation, habits, and linguistic abilities of advanced L2 English learners. Reading in a Foreign Language, 35(2), 160–189. https://nflrc.hawaii.edu/rfl/item/575
en_GBEnglish